昭和大学医学部脳神経外科の教授が捏造した論文で教授選に出て教授になったのは記憶に新しい.悪質で研究者として最低の行為だが,その嘘はあまりに幼稚でつまらない.

こんな嘘にだまされた教授会も情けないし,こんなのが同じ学会にいたことに腹が立つ.脳神経外科学会はちゃんと処分してほしいものだ.

こんなのは医師としては論外であるが...

脳外科医をやっていて思わず嘘をいってしまうことがある.

一つは手術の前のもの

たいていは手術の適応とか必要性を本人や家族に話していてなのだが,これにも2通りある.

非常に危険が高いとそれを誇張してしまうのがたぶん多いと思う.これは自分へのリスクを避けるため.脳外科医だって他人を手術するのはやはり怖いのだ.

もうひとつは話しているうちに,ついそれほど難しい手術ではないと言ってしまう時である.
やはり,あまり手術に強い恐怖心をもたれるのも困る.手術以外に治療法がないものもあるのだから.

患者が信頼してくれれば勇気を持って手術できるってこともある.

患者は病気から逃げることはできない.外科医は手術から逃げることはできない.ここに嘘が生じるすき間があるんだと思う.

もうひとつの嘘は手術後のものだ.

多くは結果として重症の後遺障害が残った場合と根治できない脳腫瘍の場合だ.

どちらの場合の嘘もいずれはばれる.
いや,今までもたくさんばれていたに違いない.それとなく,知っていたんですねといわれて答えに窮したことはある.

時々,本当のことだけ話して仕事ができたらどんなに楽だろうかと思うのであった.

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