日本テレビのプロデューサーが視聴率を買収したという問題で,管理者であるテレビ局の社長も批判されているようだ.

テレビに関していうと健康ブームでいろんな番組が放送されている.
私はNHKが特に好きなわけではないが,民放には本当にまともな医師の監修をうけたかどうか疑わしい番組が多い.大ざっぱに言うと半分くらいしか本当の話がない.

ちょっと前の話だが,重症の脳梗塞の患者の家族に血管内血栓溶解術をするか,脳低体温療法をするか選択させ妻が低体温療法を選んだ結果患者である夫が劇的に改善したなんていうのをやっていた.これなんかはあきれた話だ.

まず,脳低体温療法だが確かに数年前には脳神経外科でブームともいえる状況だった.しかし,そもそもは重症の頭部外傷に対する治療であり脳梗塞に一般的に行う治療ではない.したがって血栓溶解術と並べて選択肢としてあげるべきものではない.

血管内血栓溶解術は場合によっては有効だともいえるし実際に私もやっているが,生命の危険のあるような場合には行えない.

番組では低体温療法を選んでよかったというような結論だったが私はそうは感じなかった.
単に,脳の主幹動脈につまった血栓が早期に自然に溶解して再潅流障害もそれほどなく経過したように思えたからだ.

こういうでっち上げのような話はいかにも民放でやりそうな番組だ.

私もテレビの取材で心肺蘇生のシーンを撮るためにやらせの蘇生をさせられるはめになったことがある.やらせ,でっち上げ,そして嘘をついてまでも,見る人の感動(視聴率?)が欲しいのであろう.

だから,救急医療の現場からみたいな嘘っぽいドキュメンタリーを見るより最初からドラマとわかっているERのほうが真実味があって専門家がみるとおもしろいのである.

新聞もそうだけれどメディアの方々に医師と同じだけの医療知識がないのなら記事や番組をつくる時には医師からみても本当の専門家と思えるような医師にチェックをしてもらったらどうだろうか.

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